
新年度に入りウィーン市ではロックダウンが延長され、4月16日の始業式、入学式も開催を危ぶまれていましたが、オンラインで実施する運びとなりました。本校は小学部25名、中学部8名の全校児童生徒数33名で、本年度の新たな出発となりました。保護者の皆様におかれましては、お子様の御入学、そして御進級、誠におめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
現在、私たちは、まだ今回のコロナ禍を克服したわけではありません。ワクチンの開発により、感染は収束に向かっているとみられるものの、今も新型ウィルス株により新たな感染者が発生し、予断を許さない状況にあります。コロナ禍により、私たちは今まで当たり前と思っていたことが、 当たり前でなくなっている現実に直面しました。
学校も例外ではなく、大きく変わりました。学校の存在意義を改めて問い直すきっかけにもなり、
私たちは、持続可能な学校の在り方を模索しています。学校は、言うまでもなく子どもたちが「社会の中で生きぬくために必要な力をつける場」です。この「必要な力」 には、「知識・技能」や「思考力・判断力・表現力」に加え、将来において主体的に学び続ける「意欲・態度」を高める場です。学校では同年代の様々な考え方や背景を持った子どもたちが集まり、共に学習や様々な活動を行い、関わり合う中で「生きる力」を子どもたちの中に育てています。今、コロナ禍の中で、いかに子どもたちに「生きる力」を育んでいくかが、私たちの学校の大きな課題です。
本年度も、今まで当たり前にできていたのに、できないこと、やれないことが多い学校生活となります。このような中でも、「今、できることは何か」を子どもたちと一緒に考えていきたいと思います。学校、保護者及び学校協会、日本人会等とともに手を携え、子どもたちの成長を支えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。